紙飛行機と望まれぬ××
「大事な話をしよう。とっても大事な話」
そのためにきみを連れ出したと、須田が切り出したのは目的地のコンビニを通り過ぎてすぐだった。どこに行くつもりだと問うた俺の言葉を無視して一番初めに出た文言がそれだった。
「きみは、結木真希奈が死んだ理由を知って、それで〝どう成る〟つもりなんだい」
どうするかではなく、どう成るか。まるでこの件の全容を知ったら俺が変わるような言い草で気に入らない。
「何にも成らない。俺は変わらず結木能代だ」
須田は少々俯いたあと、俺の隣から大きく一歩前へ出て、また歩き始めた。
「そうか。それは何よりだ。きみは一生、自分は結木能代だと思って生きてくれ」
こいつの言い回しは嫌いだ。会話をする気が無いのだろう。ただ言いたいことを言っているだけ。
「引っ掛かっていることがある。どうして久安明に直接向かうと結木真希奈が死ぬという発想に至った過程を知る意思がなくなるんだ」
「きみの理解が追いつかなくなって挫折するからだよ。きみは諦めるんだ、この問題を、結木真希奈のことを。全く分からない分野の専門書、それもかなり高度なものを読んだとき、最初に取り上げられた題材の基本中の基本やそれを覚えるための前提すらわからず「あっ無理だ」って実感するようなもの。上級編をやるなら初級編中級編を終わらしてからの方がいい、だから先に資料置き場に行くべきなんだ」
「それが正しい順序だと?」
「そうだ。それにさ、今レベル30のきみ達が適正レベル85の久安明にオワタ式で乗り込んでクリアを目指すのは現実的じゃない。効率的なレベリングスポットが資料置き場でもあるのさ」
何を言っているのかさっぱりわからない。
二人とも黙った。どのくらい口を噤んで歩いていただろうか。いい加減にしろと言いかけたとき、須田が先に声を発した。
「そろそろだよ。あの踏切を越えたらすぐそこ」
「何の話だ」
「人から見ればゴミの山、俺からしたら宝の山」
それは平屋の一軒家だった。門前に置かれたプランターは枯れ果て、土がパサパサになっている。郵便受けのネームプレートに書かれた姓は灰野だった。その下に須田と手書きされたテープが貼り付けてある。
中に入るよう促され後ろをついていく。玄関には靴が乱雑に散らされており、その中の幾つかは踏み潰されてよれてしまっている。備え付けの靴箱は半開きになっていて、それが気になった俺はそっと靴箱の扉を閉めた。
「お前の家じゃないのによく勝手に上がれるな」
「今は実質俺の家さ、ハイノの親父さんが持て余してるからって貸してくれてんの。ほんとはハイノが住むはずだったんだけどね、あいつ立地とって向こうに住んでるから」
「借り物なら尚更きれいに使え。この有様で気にならないのか」
「今日がたまたま荒れてるだけさ。気が乗れば片付ける」
「灰野は何も言わないのか」
「来るたび小言を吐きながら片付けて帰る」
須田は笑う。灰野からしたら笑い事じゃないだろうに。
なりゆきで通された部屋はどうやらこいつの自室らしい。閉めきられた室内の埃っぽい空気がどんよりとした雰囲気を作り出している。机の上には飲みかけの炭酸飲料が放置され、床には本棚からあぶれた本が積み上げられている。
「本棚を増やそうと思って金を用意するんだけどね、気がついたら本が増えて金が減っているんだ」
だから棚の傍らに積んでいるんだと笑いながら、棚の上から手に取ったそれは本ではなく銀色の折り紙で折られた紙飛行機だった。
「折り紙好き?」
「いや」
「飛行機折れる?」
「どうだかな」
「ちょっと折ってみてよ」
軽い口調で手渡された正方形の紙をまじまじ見つめる。なんだってわざわざ長い道のりを歩かされた挙げ句、荒れた部屋で折り紙なんてしなきゃならないんだ。
「とりあえず折ってくれなきゃ帰りの道案内しないよ」
そう言われて、俺は突っ立ったまま渋々紙に折り目をつけていく。折り紙なんて触るのすら十数年ぶりだ。
それを作り終えるまでの間、須田は俺の手元をじっと眺めていた。そして俺が紙飛行機を一機織り上げると一言「なんだ覚えてるじゃん」と言った。
「あ?」
「いや、飛行機の折り方覚えてるじゃんって」
「だからなんだよ」
話の先が見えない状況に苛ついて語気が尖る。それでも須田は笑っている。
「そっちは覚えてないか~。知ってる? それね一般的な折り方じゃないんだよ」
「……」
「その折り方ね、俺がきみに教えてあげたんだ。ずっと前に」
ずっと前……。それはいつのことだろう。もし仮にこの折り方を俺に教えたのがこいつだとして、だからなんだというのだろう?
「まただ。またきみは『だからなんだ』という顔をしている。この際はっきり言わせてもらうが、きみは随分と昔の自分について知らなさすぎる」
それについては自覚があった。厳密に言えば俺は何もかもを覚えていないわけではない。結木真希奈に教えられたことは覚えている。記憶にムラがあるのはきっと、ああしろこうしろと言われた通りに動いて、能動性に欠けていたせいだろう。考えることを始めた十四の頃からの記憶ははっきりしているのだからそうとしか考えられない。
「俺は昔のきみを知っている。長い髪を少し結っていたきみを、ぼーっとした暗い瞳を、無表情だけど子供なりに笑うきみを知っている。……昔のことを思い出させたら良いヒントになると思ったんだけどね。その調子じゃ駄目だ、だって全然覚えてないんだろう? 紙飛行機を作ったことも、金の折り紙をありったけ掻っ攫っていったことも」
折り紙で遊んだ話しかしていないところから察するに、きっと遊んだのは一度きりなのだろう。その一度きりのことをこいつは何年も覚えていたのか。
須田は昔話を語り始めた。
「親共が話し合いをするからって俺達を置いて部屋に籠もってしまったんだ。これで遊んでいてと渡されたのは折り紙が五パックと画用紙とハサミとのりとテープ。紙二種と刃物と粘着剤渡されて、工作でもやれってのかって感じじゃない?」
その内訳ならば確かに工作しか手がないと言えなくもない。
「俺は外で遊ぶ方が好きだったんだけどさ、きみはそうじゃなくて、大人しく折り紙を手にしたわけだけど。そしたらきみは事もあろうに五パック全部を開封して金色だけ抜いて部屋の隅でなんか作り出したんだよ」
「だからなんだよ」
「ちびっこの間に通ずる金の折り紙の希少性をきみは知らないか? レアなんだぞ。それを全く相談もなしに全部持って行くとは思わないだろう。銀には全然興味を示していなかったところもまた驚いた」
俺は余ってしまった銀でこの紙飛行機を折ったんだと、謎の哀愁を漂わせながら、先程棚から引っ張り出した紙飛行機を指で突っついた。上から当てられた照明をキラリと跳ね返す機体は趣があった。
「……五枚もなにに使ったんだろうな」
「さぁねー、プレゼント用だからって俺には指一本触れさせてくれなかったことしか覚えてないや」
知っていることを中途半端に喋って残りは分からないと切り捨てる。全く羨ましく思えないが、さぞ楽だろうなその生き方は。
「さ、コンビニ寄って帰ろうか」
「は? なんの為にここへ来た」
「? 折り紙の話するため?」
本気で言っているのか? 呆れて須田の顔から目を逸らした。逸らした先は乱雑に積まれた本の山でそれからも目を背けたくなった。
「そんな顔しないでよ。五歳の自分の話は心が和まなかったかい? まあ俺は対して何も思わなかったけど」
五歳? 今の話は俺が五つの時の話だということか。だがおよそ二十年前のこと、それも一日だけのことならば覚えていなくても不自然じゃない。自分の記憶力がおかしいせいではなかったのだと胸をなで下ろしかけたとき、
「会っただろう? 五歳の頃、――久安明でね」
その一言で、胸をなで下ろすどころか不穏な胸騒ぎが駆け抜けていった。
◆
「まぁね、ほんとは別にいいんだ、俺のことを忘れてたって、自分の過去を覚えていなくったって。それが結木能代の生き方なら」
コンビニの企業ロゴがプリントされたビニール袋を片手に須田はそう言った。袋の中にはウーロン茶と安いくせに度数だけは一丁前な缶酎ハイとつまみが数種類。酎ハイが揺れるのも気にせず須田はそれを雑に扱う。
「一つ聞くが、万が一俺が俺でないとしたら一体誰なんだ」
聞かれたそいつは空を見上げた。俺も空を見た。淀んだ灰色の空にくすんだ雲がゆっくりと斑に流れている。
「俺は今だって昔だって俺のはずだ。だからこれからも――」
「五歳のきみは、果たしてきみなのか?」
何が言いたいのかさっぱり分からなかった。だが、何故だか一瞬、脳が締めつけられるような頭痛がした。
「結木真希奈はなぜ死んだんだと思う?」
「分かんねぇから探し回ってんだろ」
「自殺する人間は必ずしも不幸なのか」
「辛いから死ぬんじゃないのか?」
「回避する方法はあったのかな」
「……この禅問答に意味はあるのか」
「これは禅問答でも冷やかしでもなくアドバイスだ。よく考えて、結木真希奈は何故死んだ? ……――あ、ハイノの家に着いたね」
分からない。今の会話は成立していなかった、須田が一方的に言いたいことを言っただけだ。だけど何故だろう、全てが〝考えなければいけないこと〟のような気がしてならない。
「あ、おかえりなさーい! 今手が離せないので少々お待ちください!」
明るい声色で俺を迎えた途草の手にはゲームコントローラーが握られていて、画面には色のついたブロックが上から落ちてくる様子が映されている。
途草の手首には外へ出るときにはなかったテーピングが施されていた。
「ゲームやらせたらハマったみたいでさ。最初はアケコンで格ゲーやらせてたんだけど手首が痛み出しちゃったみたいで、今はテーピングしてテトリスやらせてる」
須田が買ってきた品を物色しながら灰野は途草に目をやる。どうやら弟が出来たみたいで嬉しいようだ。灰野の和やかな報告など気にせず、須田は「そんなことより」と右手を差し出し俺達に品物の代金を請求し始めた。こいつは空気が読めないのか、それとも読まないのか。
「能代さん達が出かけている間に[[rb:生世 > いよ]]くんと沢山話したんですけど、すごく優しいひとですよ! 了くんとは違ったお兄ちゃんって感じで」
一時間ほどの間に随分と仲を深めたらしい。普段は苗字に敬称をつけて他人を呼ぶ途草が名前で呼んでいる。
「なにが優しいだ、実際はそうでもないさ。現にきみの手首に怪我をさせているじゃないか。それにこの家には湿布も痛み止めもあるのにそれらは貰ってないだろう? あくまでテーピングだけ」
「確かに俺はそんなに優しくないね。他人は平気で傷つけるくせに薬事法は守る男だし。でも仲いい奴には手厚く対応するぜ! 薬事法の方が優先度が高いけど!」
灰野の片手に握られた酎ハイのプルタブが上がっている。どうやら既に酒が入っているらしい。続いて須田も缶を開ける。炭酸の抜ける音が気持ちよく響いた。気がつけば俺と途草の前にもストロング系酎ハイが置かれている。
自らの前に置かれたそれをしれっと途草が開けたため、俺は缶を取り上げた。
「お前未成年だろ」
「へ~ハイノとタメだと思ってた。いくつなの」
「19です」
「じゃあいいじゃん、十九歳も二十歳も変わんないよ。飲んだことあんの?」
「あります。――あぁ! 能代さんの目が怖い! ちが、いや違くはないんですけど、付き合いでちょっと。これを開けようとしてしまったのもいつもの癖で!」
「お前の上司に成人としての責任感はねぇのか」
「誤解です! 勧めてくるのは別の方で、高良さん、いえ上司は未成年飲酒は好みません。彼がいる前では絶対に飲みませんし、飲めません!」
「じゃあ俺の前でも飲むな」
「…………ハイ」
別に未成年が酒を飲もうが知ったことではなかった、だが俺の前で飲まれるのは気に障った。灰野と須田には真面目だと茶化された。
須田も灰野もある程度酔いが回ってきたらしい、かなり饒舌に喋るようになってきた。俺もそろそろ瞼が重くなってきたが今ならいろいろと聞き出せるかもしれない。素面の途草ならもっと深く聞き出せるだろうが、やつは呑みに参加できないことにやや不満げで、俺たちに背を向け黙々と灰野から借りたRPGで経験値稼ぎを行っている。こちらの声を聞いてはいるだろうから何か気になるところがあれば自分から割って入ってくるだろう。
「お前達から見て、結木真希奈はどんな人間だった」
「俺はずっと、こえーお姉さんだと思ってたよ。なんか言われたこととかはないんだけど、立ち振る舞いみたいなものが、着飾っているわけじゃないのに華やかな見た目と相まって、ぶっちゃけ恐いから苦手だった。だーすは?」
「恐怖心より嫌悪感が勝る。そんだけ」
須田は無表情で突き放すように言った。この表情は酔いのせいか、それとも憎悪のせいか。
「嫌いなのか、うちの親のこと」
「……うん、積もり積もって。ひとつだけ勘違いしないでもらいたいんだけど、いくら親のことが嫌いだからってきみに間違った道を進めようだなんて思ってないから」
「お前が示した〝資料置き場へ行け〟は正しい道だと?」
「そうだよ。俺はきみを、きみの未来がほんの少し明るくなる道に進めるよ。もっと明るい道は無理だけど、だってそんなのないし」
明るい未来だなんて俺には不釣り合いだと思ったが、人生においてではなく結木真希奈の一件にのみに限った話であれば、それは良い話だった。
「もうひとつ、久安明についてだが。おそらくそれは広範的に言って宗教のようなものなのだろう? 組織全体の理念や価値観のようなものはどうなっている」
この言葉の答えに俺はもう気がついている。だがあえてこいつらの口から聞くことで一つ腑に落ちることが出来そうだったのだ。
「そうだなぁ、一応組織の共通理念っぽいのはあるよ。酒が入ってるから複雑な説明は上手くできないけど、要約すると輪廻転生はないからトラウマとかあったら今世のうちにどうにかしようねーって感じ。あとなんだっけ、あれ、……あっ、だめだど忘れした」
……母さんが頻繁に口にして俺に教えていた輪廻転生うんぬんは、やはり久安明の思想だったか。かなり昔から口癖のように言っていた気がするから、そうなるとやはり俺が幼い頃から久安明という組織の理念に入れ込んでいたのだろう。
そのとき途草がこちらを振り返り灰野を呼ぶ。灰野は間の抜けた返事をしながら寄っていくと途草の話に耳を傾け、それを聞き終えたあと何やらタブレットで検索を始めた。人差し指の先が白い照明を跳ね返して光る画面を撫でる。離れた場所から画面を覗きこむとどうやら攻略サイトを開いているようだった。
「これこれ。今やってるやつは周回プレイを推奨してるゲームでね。そんで、これは俺が前にクリアしたデータを引き継いでいるから序盤でも魔法とか一式覚えたまんまなの」
「へぇ、だからちょっとレベル上げただけで中盤のボス倒せちゃったんですね」
「そうそう。レベルが低いと装甲薄いし体力ないしで死にやすいんだけど、攻撃系統が充実してるから殺られる前に殺れば余裕余裕!」
「ただ、殺られる前にって戦法だとそろそろ詰むと思うから、装備買い直したほうがいいよ。この洞窟を抜けた先の街に上質な防具屋があって終盤まで使えるから、売ってる中でも一番高いのを買いな。周回で金も引き継がれてるから多分買えるはずだ」
わいわいと楽しげなゲーム談義に須田が加わりに行く。この二人はゲーム好きのようで、初心者の途草を見つけて何かと構いたくなったようにみえる。
「須田さんも生世くんも詳しいですね! さっきはNPCの善良な千葉県民AとBなんて言ってましたが、資料置き場の件といい、サポートキャラと呼んだ方が適切なんじゃないでしょうか」
「勿体ないふうに思えるけど、自分の人生の主役は自分とかって言うもんね! 誰かにとってのサポートキャラが俺達なこともあるかもしれないし、別の配役もあるかもな」
「まあ結木真希奈の件に限れば全員主役ではないけどね」
須田は意味深な発言もそこそこにあくびを漏らすと、この部屋唯一のセミダブルのベッドに体を横たえ、頭まで掛け布団を持ち上げる。
「え、寝んの!? つかなんでだーすがベッド使ってんだ! せめてのっしーかトグサに譲ってあげて! オイ! 寝んな! 須田!」
「あぁお気になさらず。うちの車は後部座席をリクライニングさせればシングルベッド程度の範囲を確保できますから。そちらを能代さんに使っていただいて、ぼくは助手席で寝ますので」
今日はありがとうございましたと頭を下げる途草に灰野もまた深く頭を下げる。
「ほんと色々とごめんな~。資料置き場行って分かんないことがあったら連絡入れてな」
「わかりました。お話聞けて助かりました、ありがとうございます」
下まで着いてこようとする灰野を断ってドアを閉める。カチリと音が鳴るのを確認してノブから手を放し、駐車場へと向かった。
空は紺色で、僅かに星が見えた。
「こっち使って良いのか」
後部座席を指さして言った。指先が示しているのは、少し足を曲げれば俺でも無理なく寝られる程度のスペース。途草が言ったように後部座席を倒して出来た範囲は申し分なかった。
「何言ってるんですか。ぼくなんかここに座ってりゃ帰れますけど、能代さんは運転するんですよ」
目一杯倒された助手席の頭をベシベシ叩いて「だからそっちはあなたが使うべきです」と俺に毛布を投げる。
「須田さんと何を話したとか、ぼくが生世くんと何を話したとか、情報のすり合わせが必要ですが、今はひとまず寝ましょう。寝るべきです」
指を組み腕を前に押し出して伸びをすると途草は肩を座席に着けて横になった。
俺も明日話すことを書き出してから寝よう。そう思い鞄から手帳を取り出す。
『自殺する者は不幸か』『結木真希奈の自殺を回避する方法はあったのか』『俺が五歳の頃には既に結木真希奈は久安明に関わっていた』
そして今まで散々考え抜いた『結木真希奈は何故死んだのか』
それだけ書いて手帳を閉じた。
寝よう。寝て起きて、この手帳を見たときに何を感じるのかは起きた後の俺にしか分からない。
毛布を被った。タバコのにおいが微かにして嫌だったが十一月の車内でなにも掛けないというのも些か抵抗があったため、大人しくそれを使った。
うとうとしかけた時、車のドアが開く音がした。目をやると途草が外へ出るところだった。静かに閉めようと努めたのだろう、半ドアの表示が点滅している。
誰かに電話を掛けながら頷いている風に見える。上司への報告だろうか。
そこからの記憶はもうない。